相談内容
特定調停 現在借入額を利息制限法により引き直しして、引き直し後の金額を支払いする
民事再生 破産せずに、借入額の5分の1(100万円~500万円)のお金を3年間で支払うこと。※住宅を残したい人等
任意整理 特定調停によらないで利息や借入残額の見直しをして支払うこと
任意整理とは
任意整理(和解)というのは、裁判所を通さず、代理人が債権者と任意に交渉して、借金を整理する手続です。まず、お客様から交渉依頼のあった債権者に対し、借金がどの位あるかについて調査を行います。その結果に基づいて、代理人が債権者と個別に減額交渉して、減額した金額に原則利息をつけずに、
3~5年程度の長期分割で返済していきます。返済は代理人が代行しておこないますので、決められた和解金額を毎月指定された口座にご入金いただくことになります。
任意整理はどんな人が利用できるの?
減額した結果、支払いが可能な方であれば、任意整理はどなたでも利用できます。減額しても支払いが難しい方は民事再生手続きか、破産・免責手続きを選択してください。
任意整理を行う場合の3つの基準
◆取引開始時点から全ての取引経過の開示を求める(途中で完済したり、借換契約をしている場合でも、その債権者から初めて借り入れた取引まで遡ります)。
◆利息制限法によって定められた制限金利による引き直し計算を行い、最終取引日における残元本を確定する。
◆返済案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金や将来の利息はつけない。
借金の裁判手続きによる解決方法
任意整理(和解)以外の借金問題解決方法
任意整理による解決が難しい場合は、裁判手続による解決が必要になります。 裁判手続による解決には、
→個人民事再生手続き
→破産・免責手続き
があります。
いずれの手続きを選択するのかのポイントは以下の通りです
◆収入の安定性
個人民事再生手続の場合は、収入の安定性が絶対条件になります。
◆1ヶ月に返済可能な金額
「家計の総点検」で計算した金額はあくまでも目安です。 個人民事再生を選んだ場合、ここから将来の出費に備える貯蓄や、弁護士費用の分割金を捻出していただかなくてはなりません。
◆財産の状況
個人民事再生手続は財産を処分する必要はありませんが、全財産の資産価値が返済額算出する場合のひとつの基準になります。破産・免責手続は20万円以上の価値のある財産は処分しなければなりません。
◆将来の出費に備えて貯蓄する余力
個人民事再生手続は一部とはいえ、3年間の返済があります。破産・免責手続では手続終了後に債務は免除されるので、貯蓄する余裕が増えることになります。
上記のポイントをよく検討してください。
残業代カット、ボーナス・カット等で減収傾向にありませんか?将来必要となる出費を考えてください。子供の学費、家賃の更新料、冠婚葬祭費、引越費用、結婚・出産費用など、今後はすべて貯蓄で賄うことになります。処分できる財産、守るべき財産を考えてください。
収入、財産、債務額、ご家族の今後等のあらゆる面をすべて検討した上で、 あなたにあった解決方法、破産・免責手続か個人民事再生手続かのいずれかをご提案いたします。
破産・免責手続きと個人民事再生手続きの違い
それまでの支払い ・ 取立てはどうなりますか?
いずれも、手続きを決意した時点から払ってはいけません。今あなたが業者に返済しようとすれば、 どこか別のところから借金をしなければならないはずです。もう返せないと分かって、また別の
ところから借りてくれば、その後の 破産手続きないし民事再生手続きで必ず問題になります。 ですから、返してはいけないのです。そのことを相手方にはっきり伝えましょう。代理人と正式に
契約した時点で、債権者からの請求は止まります。
信用情報に掲載されますか?
いずれも載ります。和解、破産、個人民事再生手続きのいずれの場合でも、代理人が介入した時点で事故情報として載ります。
法律的な不利益はありますか?
破産・免責手続きをとる場合には、一定の資格や地位(保険外交員や警備員や 会社の役員など)を持つ人に限り、手続き期間中(半年から1年くらい)は、
その仕事につけなくなります。また、破産した場合は、二度目の破産は、事実上、困難になります。しかし、それ以外の違いはほとんどありません(少額管財の場合、破産手続開始決定から破産手続終了までの間、財産管理処分権の喪失、
居住の制限、通信の秘密の制限があります)。
破産・免責手続き、民事再生手続き比較表
破産・免責 | 民事再生 | |
---|---|---|
返済期間 | なし | 3年間で一定額を返済 |
手続期間 | 約4ヶ月(同時廃止) 約6ヶ月(少額管財) |
約1年間(その後に3年間の返済) |
信用情報への記載 | あり(7年~10年間) | あり(7年~10年間) |
官報への記載 | あり | あり |
戸籍・住民票への記載 | なし | なし |
債権者の訴訟可能性 | あり | あり |
賃貸住宅での住居 | 可能 | 可能 |
親族への影響 勤務先への影響 |
なし (親族が保証人の場合、 勤務先から借入がある場合等を除く ) |
なし (親族が保証人の場合、 勤務先から借入がある場合等を除く ) |
資格制限 | あり (手続期間中のみ) |
なし |
住居の制限 通信の秘密の制限 |
あり (手続期間中のみ) ※少額管財のみ |
なし |
個人民事再生手続きとは
個人民事再生手続きは、多重債務を抱えた方が、支払不能(破産状態)に陥る前に、経済的再建をはかるための裁判手続きです。裁判手続きにより債務額を減額した上で、手続きにより決められた金額を原則3年間で分割弁済(返済)していくことになります。
個人民事再生はどんな人が利用できるの?
◆小規模個人再生…住宅ローンを除く債務額が5000万円以下で継続または安定した収入がある方の手続きです。
◆給与所得者等再生…住宅ローンを除く債務額が5000万円以下で継続かつ安定した収入がある方の手続きです。
◆住宅ローン特例あり…住宅をお持ちの方で、住宅ローン特例の適用条件を満たしている方が利用できます。
民事再生手続きを選択するポイントは?
◆今後3~5年間の安定した収入(仕事)があること。
◆住宅ローンを除く債務が5000万円以下であること。
◆手続きを通じて決められた返済額を原則3年間の分割で返済していきますが、この返済をしてもなお、将来に必要な貯蓄をしていくだけの経済的余力が求められます。
◆3年間の返済期間中は、裁判所も代理人も一切関知しません。つまり、ご自身の責任において返済を続けていかなくてはなりません。きちんと家計を管理し、返済を続けていく強い意志が必要です。
◆住宅や保険等、守るべき財産がある方にも役立つ手続きです。
個人再生手続きの費用等の詳細
個人再生の費用
小規模個人再生とは
小規模個人再生を利用できるのは、個人です。つまり、個人であれば、事業主や給与所得者もこの手続きを利用できます。ただし、個人であれば誰でもこの手続を利用できるわけではありません。将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあり、かつ住宅ローンを除く借金が5000万円を超えないことが条件になります。
小規模個人再生手続の申立をした場合、特に棄却する理由がなければ、裁判所は再生手続開始の決定をします。開始決定がなされると、債務者に対する強制執行はできなくなりますし、すでになされている強制執行は中止されます。ただし、訴訟手続は中断されません。また、手続が開始されても、破産手続と違い、債務者は自分の財産を管理・処分する権利を失うことはありません。つまり、債務者は従来どおりの生活を続けることができます。
債務者が事業者である場合も、従来どおり業務を続けることができます。ただし、債権者に対しては、 公平かつ誠実に対応しなければならない義務を負うものとされていますので、財産を処分する場合は事前に代理人に相談してください。場合によっては、処分する前に裁判所の許可が必要な場合もあります。手続上で債権調査を行い、再生債権額を確定させた上で、確定した債権額に基づき、再生計画案を作成します。
再生計画の返済方法は、①原則3年間(最長5年となっていますが、特別な事情がないかぎり認められることは困難です) ②3ヶ月に1回以上の割合で分割返済すること、とされています。
再生計画案は、債権者の決議を経て裁判所が認可決定をし、その決定が確定して初めて効力を生じます。小規模個人再生の場合、債権者の決議は書面によって行われます。再生計画案が可決される条件は、債権者数の半数以上の同意、かつ、債権総額の1/2を超える同意が必要になります。再生計画の認可決定が確定すると、再生手続は終了します。手続の終了後は、裁判所の監督を受けることはありませんし、代理人も一切監督しません。債務者は自分の力で再生計画を遂行することになります。
給料所得者等再生とは
給与所得者等再生を利用できるのは、主にサラリーマンです。しかし、サラリーマンでも収入の変動幅が大きい場合は給与所得者等再生の対象にはなりません。つまり、小規模個人再生の対象となる個人のうち、給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者で、かつ、その変動幅が小さいと見込まれる場合に限り、給与所得者等再生を利用できます。
変動幅については、年収の5分の1に満たない程度の変動ならば問題にならないでしょう。債務額が住宅ローンを除く借金が5000万円を超えないことは、小規模個人再生と同じです。また、過去に破産免責などを受けていた場合は、7年間、給与所得者など再生の申立はできません。住宅ローンを除く借金が5000万円を超えないことが条件になります。
給与所得者等再生手続の申立をした場合、特に棄却する理由がなければ、裁判所は再生手続開始の決定がでます。開始決定がなされると、債務者に対する強制執行はできなくなりますし、すでになされている強制執行は中止されます。ただし、訴訟手続は中断されません。
また、手続が開始されても、破産手続と違い、債務者は自分の財産を管理・処分する権利を失うことはありません。つまり、債務者は従来どおりの生活を続けることができます。ただし、債権者に対しては、公平かつ誠実に対応しなければならない義務を負うものとされていますので、財産を処分する場合は事前に代理人に相談してください。場合によっては、処分する前に裁判所の許可が必要な場合もあります。
手続上で債権調査を行い、再生債権額を確定させた上で、確定した債権額に基づき、再生計画案を作成します。
再生計画の返済方法は、①原則3年間(最長5年となっていますが、特別な事情がないかぎり認められることはほとんどありません)②3ヶ月に1回以上の割合で分割返済すること、とされています。給与所得者等再生では、債権者による再生計画案の決議は省略されます。債権者の決議を必要としないことは、小規模個人再生と大きく違う点です。再生計画の認可決定が確定すると、再生手続は終了します。手続の終了後は、裁判所の監督を受けることはありませんし、代理人も一切監督しません。債務者は自分の力で再生計画を遂行することになります。
住宅ローン特例ありとは
小規模個人再生、給与所得者等再生の各手続に「住宅資金貸付債権に関する特則」を適用する制度です。
住宅ローン債権のうち、一定の条件を満たすものを「住宅資金貸付債権」といい、再生計画内で住宅資金貸付債権について「住宅資金特別条項」を定めた場合には、住宅ローンの支払方法の組み直し、住宅ローンの返済を継続しながら、住宅ローン以外の債権を整理し、住宅を確保しながら経済的再生をはかることを目的とした手続です。
住宅ローンを組む場合、購入する不動産に抵当権が設定されます。この抵当権を持つ債権者は、再生手続とは関係なく抵当権を実行できることになっており、再生計画も抵当権には影響を及ぼしません。しかし、住宅を失っては経済的再生もままなりませんから、住宅を確保するためにこの「住宅資金特別条項」を利用するのです。「住宅資金特別条項」は、住宅ローン返済計画を変更をする事が主な内容となるもので、住宅ローンの返済総額を減額することはできません。この条項が定められた再生計画に基づく返済をしている限り、抵当権を実行されることはありません。
個人再生手続きの費用等の詳細
個人民事再生 手続き |
住宅ローン 特例なし |
→29万円(税込) 申立から認可まで(債務額・債権者数にかかわりなく) ※ 別途裁判費用+事務手数料として 3万円が必要となります。 |
---|---|---|
住宅ローン 特例あり |
→39万円(税込) 申立から認可まで(債務額・債権者数にかかわりなく) ※ 別途裁判費用+事務手数料として 3万円が必要となります。 |
破産・免責手続きとは?
多額の借金を抱え支払不能に陥っている方を、裁判手続により借金を免除してもらう制度です。
一定の資産がある場合は、資産をお金に換えて、債権者に配当することになります。
破産・免責手続きはどんな人が利用できるの?
同時廃止…めぼしい資産がない方、借入理由に問題がない方等が利用できる、清算手続きを省略した手続です。
少額管財事件…一定の資産のある方、浪費・ギャンブル・株式投資等の借入理由に問題がある方、等が利用する方法です。
少額管財事件(法人)…法人の破産手続きになります。
破産・免責手続きを選択するポイントは?
収入が不安定である、もしくは収入がない。
収入はあるが、和解や個人民事再生手続での返済を続けていくだけの余裕がない。
将来の出費(子供の学費、結婚、出産、老後の資金等)を考え、個人民事再生で返済をするよりは、破産・免責手続で免責を受け、将来の出費に備えなければならない。
1日も早く、借金問題を解決し、新たに再出発をしたい。
破産 破産・免責手続きの一般的説明
まず裁判所に必要書類を提出して、破産手続開始決定を受けます。支払不能であることを確認する手続きです。その後、破産管財人が裁判所によって選ばれます。破産管財人は、不動産や生命保険があるかなど、財産について調査して、現金化し、その一方で、借金の有無や金額の調査をします。
そして、現金化して得られた金銭を、原則として借金の額に応じて、各債権者に配分します。こうした資産の清算 を行うのが、破産手続きの具体的な内容です。また、破産管財人が選任される事件を、管財手続きと言い、これが破産手続きの本来的な姿です。なお、破産手続きには、個人の破産事件の場合でも、最低50万円以上の費用が必要でしたが、東京地方裁判所をはじめ多くの裁判所では、破産手続きにかかる費用を20万円に低額化した
少額管財手続きという手続きが行われています。
ところで、破産手続きは、資産の清算をする手続きですから、破産手続きをしただけでは借金は免除されません。そこで、借金免除(免責という)の申立をして、裁判所
にその許可をしてもらう必要があるのです。ただ、全ての人が借金を免除されるかというと、そういうわけではありません。借金するのもやむをえない、同情に値するような事情、つまりリストラや減給で突然収入がなくなったり、減少したりしてやむなく生活のために借りたとか、結婚して子供ができて、それまでの給料では賄えなくなったなどの理由による借入でなければなりません。浪費やギャンブル、
などの理由では、借金免除ができません。これを免責不許可事由といいます。
しかし、破産免責手続きは、いわば借金を整理し、人生の再出発をするための最終手段と もいえるものですから、こうした事情がある=免責を許可しない、といって、借金を免除しないとすると、あまりにも酷です。そこで、仮に免責不許可事由がある場合であっても、裁判所や破産管財人が調査を行い、借入に至った事情や背景、破産手続きへの協力具合,そして再出発に向けての収入・支出の管理,コントロールが出来ているかどうか等の事由(これを、裁量免責事由と言います)を調査し、そこでわかった事情を適切に債権者に開示し、その情報提供や意見についても調査をし、こうして得られた情報をすべて考慮して、相当と考えるときは、免責をすることがで
きるとされています。その為、過去に行ってしまったことを反省し、破産手続きに真摯に取り組み、「情報の開示」に努めることが、きわめて重要になります。
免責不許可事由
借入理由に問題があったり、破産免責手続きでの裁判所や破産管財人の調査に対して嘘の報告をしたり、報告を拒んだりすると、免責がおりないことがあります。問題のある借入理由とは、収入に見合わない浪費(買い物・飲食等)、ギャンブル、株式・不動産・先物・商品取引等の投資、換金行為、偽名での借入等です。
これらの問題行為が認められる場合は、管財人による調査を受ける必要があるのです。
同時廃止とは
すでに説明した通り、破産管財人をつけて、清算の手続きを行うのが破産手続きの原則的な手続きです。しかし、特にめぼしい財産が無いことが明らかな場合などには、裁判所の判断により、破産の手続きを省略して、一気に免責の手続きに進みます。これを
同時廃止手続きと言います。破産管財人が調査などを行うにも費用(管財費用と言います。)がかかりますが、めぼしい資産が無いことが明らかであったり、破産管財人による調査をする必要が無いことが明らかな場合で、その費用すら払えない場合には、わざわざ費用をかけてまで、調査や清算をすることは必要ないばかりか、むしろ、無駄です。
その為、本来は、清算の手続きをすべきところを、例外的に行わない、としたのです。逆にいえば、資産がないことが十分に明らかでなかったり、借入の原因などについて破産管財人による調査が必要な場合等には、同時廃止にはできない、ということになります。)
少額管財事件とは
◆免責調査型
収入に見合わない買い物やギャンブルによる借金があるなど、免責不許可事由がある場合は、法律上借金返済の責任を免除してはいけないことになっていますが、それでは、余りに過酷ですので、裁判所が、特に事情をくんで免責を許可することができます。裁判所は、みずから、もしくは破産管財人に命じて、借金をした事情や背景、破産免責手続きに真摯に取り組んでいるかなど、免責に関する事項の調査します。
あわせて、債権者からの意見を聞いたりして、集められた情報を、総合的に考慮して、裁判所の裁量で免責を許可するかどうかを審査し、免責しても良いと考えるものについては、免責を許可します。よほどひどいケースや調査への協力をしなかった場合などを除いて、免責がなされているのが実情ですので、ご安心下さい。但し、どれだけ破産免責手続きにまじめに取り組んで、「情報の配当」に貢献したか、という点が特に重要ですから、嘘の報告をせず、破産管財人の調査などには真摯に協力することが極めて重要です。
◆生保等清算型
生命保険の解約返戻金が80万円を超えたり、不動産を所有しているなど、資産のある方は、これをお金に換えて(換価して)配当する必要があります。
◆資産等調査型
住宅ローンや車のローンが無いにもかかわらず、その借入事情が不明瞭であったり、債権者数が多い場合、事業資金の借り入れがある等、単純な個人破産と違って、借金をした事情が複雑な場合や、特殊な事情による借り入れがある場合、資産がない、ということが明らかでない場合は、破産管財人の調査が必要です。
◆不当利得型(多くの過払金が見込める場合)
法律(利息制限法)で定められた金利を超えた部分の利息は、取戻すことができると考えられていますが、利息制限法の法定金利よりも高い金利で貸付をしている業者から長く借りて返済をしている場合には、その取戻額(過払金といいます。)が高額になることがあります。そうすると、この取戻せる分は資産とみなされますので、その資産額を、破産管財人を通じて調査します。その後、破産管財人が債権者に対し、交渉もしくは裁判手続きによって、過払金の返還請求をし、その結果返還された過払金を債権者へ配当します。
◆偏頗弁済型
破産するにあたって、懇意にしている債権者にだけ多額の返済をした場合や資産隠しの目的で、資産を無償や著しく安い価額で譲渡したりした場合、こうした行為の効力を否定し、配当に当てるべき資産を取り戻す必要があります。
少額管財事件とは
法人併存型=会社・代表者破産の場合
会社の代表者(取締役)が破産する場合で、会社にも借金がある場合には、会社も破産する必要となる場合があります。会社破産の場合は、売掛金資産、機械設備などの財産があり、これを、債権者に配当する必要があり、仮に、資産が無い場合でも、単純な個人破産事件と違って、破産に至る経過の調査を行う必要がある為、破産管財人をつけて、清算手続きを行います。
もともと、会社の破産手続きには、最低70万円という多額の予納金(管財人費用)が必要でしたが、それでは費用の払えず、夜逃げや放置などきちんとした整理が行われないケースが続出した為、最近では多くの会社破産についても、予納金を20万円に減額した少額管財の制度を利用することが可能になっています。会社とその代表者の個人破産を同時に行う場合、個人債務と会社債務は密接に関連していることが多いため、通常の場合、一人の管財人が破産手続きにあたります。また、代表者の妻など、単に保証債務だけしか債務が無い場合には、同時廃止となる可能性もあります。
破産にまつわるよくある誤解
◆破産手続開始決定を受けても戸籍や住民票に記載されることはありません。
但し、本籍地の役所の「破産者名簿」に登録されますが、後で免責決定を受けると名簿から抹消されます。なお、この「破産者名簿」は、公的な身分証明書、資格・免許などを取得する際の欠格事由に該当しているか否かの確認のために用いるもので、一般の人は閲覧することができません。
◆選挙権、被選挙権などの公民権の停止はされません。
◆債務者本人が免責決定を受けても、保証人や連帯保証人の支払義務は残ります。
保証人・連帯保証人は、債務者に代わって、返済をしなければなりません。
◆免責の決定がなされると、あなたの債権者への支払義務はなくなります。
しかし、下記の支払義務は残るので注意してください。
◇租税等
◇あなたが悪意をもって加えた不法行為(例:横領)に基づく損害賠償債務
◇故意または重過失により加えた、人の生命または身体を害する不法行為
(例:飲酒運転をして人をはねてしまった)に基づく損害賠償債務
◇婚姻費用の分担義務、養育費等の扶養に関する債務とそれに類似する義務契約に基づくもの
◇雇用関係に基づいて生じ、使用人があなたに請求する債務
◇あなたが故意に債権者名簿に記載しなかった債務
◇罰金、科料、刑事訴訟費用、追徴金及び過料
◆破産した場合に失う財産は、原則80万円以上の価値あるものだけです。
保有できないのは日用品・家財道具(TVやクーラー)以外の高価なもの(車、有価証券・株券など80万円以上の価値のあるもの)だけで、日常生活には特に支障はありません。
自己破産・免責後のメリット・デメリット
破産・免責手続きのメリット
◆解決までの期間が短い
民事再生手続きは半年近くの手続期間を要し、その後、原則3年間の返済期間に入ります。破産であれば、民事再生の手続期間で、大概は手続が終了します。
◆借金がなくなる
民事再生手続では、手続により減額されるとはいえ、最低でも100万円を、再生計画に基づき原則3年間で返済しなければなりません。一方、破産手続きの場合は、最終的には借金が免責され、返済する必要がなくなりますので、その後の収入を将来の生活のために使うことができます。
破産・免責手続きのデメリット
◆所有する財産を手放す場合がある
破産・免責手続きを取ると、原則80万円以上の財産(不動産や保険など)を所有している場合は、これをお金に換えて(換価して)債権者に分配されます。
◆資格制限がある
破産・免責手続の場合、会社の取締役や監査役、保険外交員、警備員、損害保険代理店、
宅地建物取引主任者、証券会社の外務員等の資格が(手続き期間中)制限されます。
◆少額管財の場合、居住の制限、通信の秘密等の制限がある
破産・免責手続きを取り、少額管財になった場合、破産手続開始決定から破産手続終了までの間、居住の制限、通信の秘密の制限、財産管理処分権の喪失があります。
自己破産・免責手続きの費用などの詳細
自己破産の費用
破産・免責手続き (個人) |
同時廃止 | →19万円(税込)破産申立・免責申立から認可まで(債務額・債権者数にかかわりなく) ※ 別途裁判費用+事務手数料として 2万5000円が必要となります。 |
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少額管財 | →29万円(税込)破産申立・免責申立から認可まで(債務額・債権者数にかかわりなく) ※別途裁判費用+事務手数料として2万5000円、 その他に管財費用+振込手数料として20万1000円が 必要となります。 |
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法人の整理・破産 | →45万円よりご相談承ります。 ※ 別途裁判費用+事務手数料として2万5000円、 さらに管財費用+振込手数料として 最低20万1000円が必要となります。 |