交通事故の場合
交通事故は、だれでも遭う可能性があります。
しかしいざとなると…
交通事故は意外と身近にあり、誰でも遭遇する可能性があります。
事故でケガをして痛い思いをしたうえに、給料の補償はどうなるのか…、
治療費は立て替えなければいけないのか…、
また加害者や損害保険会社の心ない対応により、
2次的被害に悩まされることもあります。
『もうわからないからいいや、損保の言う通りに印鑑をおしておけば大丈夫だろう』、と思いがちです。
複雑に見える手続き、賠償金の計算方法にもある一定の考え方があります。
マンションやアパートを借りるとき、必ず納める敷金。その大半が返還されないのが現状です。
大家さんは言うでしょう。
「畳が日焼けしているから、交換しなれば」
「タバコのヤニで壁が汚れているから、壁紙を張り替えなければ」
「きれいにしなければ、次の人に貸せないから」
そのための費用を、敷金から差し引くから返還できないのだと。
しかし、これらの費用は、本当に敷金で負担しなければならないでしょうか。
そんなことはありません。
家賃を滞納したり、意図的、または著しい不注意で、部屋に損害を与えたので無ければ、借主が負担する必要は無いのです。
敷金は通常通り使用していれば、ほぼ全額返還されるのが原則です。
具体的な事例のご紹介
マンションのオーナーが変わったら、再度敷金を差し入れるよう要求されました。また敷金を差し入れなければいけないの?
再度敷金を払う必要はありません。
払わない旨を書面で通知しましょう。
大家に無断でベランダにアンテナを取り付けたら、小さな傷が付いただけなのに9万円もの補修費用を請求されました。
通常補修に必要な費用を越える部分については、原則として返還してもらえます。
業者に見積を出してもらい、内容証明郵便で差額を請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
カレンダーを張るために画鋲を使ったら、小さな穴が数個開いただけなのに、クロスを全取替えすることになってしまいました。
画鋲の使用を禁止する特約が無く、通常の使用の範囲内(数個使用した程度)であれば、原則として全額返してもらえます。
内容証明郵便で請求しましょう。それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
2年しか住んでいないのに、特約があることを理由に、クリーニング費用を全額請求されました。
通常の使用の範囲内であれば、原則としてクリーニング費用全額につき返してもらえます。
内容証明郵便で請求しましょう。 それでも返してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
敷金は返すと約束をしていたのに、長年住んでいて汚れが多いのを理由に、全額返還してもらえませんでした。
特に著しく汚したという事情が無ければ、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。 それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
壁や天井を塗り替え、カーテンレールや取っ手も取り付けたら、敷金が全く返還されませんでした。
一部であれば返還されることがあります。
カーテンレール等で部屋の価値が上がったことを主張して、大家さんと交渉してみてください。
前住人が残していったエアコンの撤去費用を、私の敷金から引かれました。
敷金を返してもらえます。
撤去費用の見積を出して内容証明郵便で請求してください。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
入室したときから壊れていた換気扇の修理費を、敷金から引かれてしまいました。
入居時から壊れていたことを立証できれば、原則として全額返してもらえます。
修理費の見積を取り、相当額を内容証明郵便で請求してください。
それでも返してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
生活上、どうしても生じてしまうじゅうたんのへこみ・畳の日焼けについても「借りたときの状態に戻す必要がある」といわれ、敷金を返還してもらえませんでした。
通常の利用の範囲であれば、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
立退き料の代わりに家賃を免除してもらったら、それを理由に敷金が返ってきませんでした。
原則として全額返ってきます。 内容証明郵便で請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
入居時からの水漏れが原因で壁にシミが出来てしまったのですが、そのクリーニング費用を敷金から引かれてしまいました。
一部であれば返還されることがあります。貸主側と交渉してみましょう。
4年間住んでいた部屋を退室したら、障子・ふすまが汚れていると言われ、取替え費用を敷金から引かれました。
通常の利用の範囲であれば、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。 それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
特に汚れも傷も無い状態で退室したら、「借りたときの状態に戻す必要がある」といわれ、様々な修繕・クリーニング費用に使われて敷金が返還されませんでした。
通常の利用の範囲であれば、原則として全額返還されます。
内容証明郵便で請求しましょう。
それでも敷金を返還してもらえない場合は、少額訴訟を起こしましょう。
解決のポイント
財産がない人から返してもらうことは出来ますか?
何も財産がない人から、貸金を回収することは出来ません。財産の在り処が分からない場合も同じです。①どこに②どんな財産が あるかを調べましょう。
本人以外に請求することは出来ますか?
保証人にでもなっていない限り、本人以外への請求は認められません。例え、身内であっても不可です。
貸付の証拠となるものは必要ですか?
借用書等が無くても、借金の返済を請求することは可能です。但し、裁判手続となった場合は、証拠となるものがあったほうが有利になります。そこで、借用書等が無い場合でも、領収書や振込み明細、手紙やメールなど、証拠となりそうなものは保管しておきましょう。
手続を取るためには、相手の氏名・住所が必要ですか?
請求には、内容証明郵便・支払督促・訴訟など、様々な方法が考えられますが、いずれも、相手の氏名・住所が必要となります。この2点は、事前に調べておきましょう。
自分でも出来る有効な手段がありますか?
貸したお金を返してもらえない場合、自分でも出来る有効な手段がいくつかあります(例:内容証明郵便の送付・支払督促・公正証書の作成など)。代理人に頼むより安価ですみますし、簡易な手続になりますので、これらの手段を検討してみても良いでしょう。
難しい事件に巻き込まれてしまった場合には…
自分では解決が難しい場合・自分で出来る方法を試してみたけど解決しなかった場合には、代理人に依頼し、裁判を通して解決することになります。その場合、作成しておいた借用書のほか、領収書、振込み明細、やりとりしたメールなどが証拠となりますので、必ず保管しておいてください。
解決のポイント
契約書はきちんと作成する必要は?
口約束で済ませてしまうのはトラブルの元になります。きちんと契約書を作成しましょう。また、契約書の他、やり取りしたメールやFAX、見積書や領収書などを保管しておきましょう。トラブルになった際証拠になります。
製作途中で商品が壊れてしまった場合は…
いつ・誰のせいで壊れたかによって、扱いが異なります。
ⅰ商品完成前・発注者のせいで壊れた⇒完成義務なし、代金請求可能
ⅱ商品完成前・委託者のせいでなく壊れた⇒完成義務あり、完成後代金請求可能、増加分の費用は受注者負担
ⅲ商品完成後・引渡前に壊れた⇒完成義務なし、代金請求不可
代金の支払と商品の引渡は同時ですか?
ⅰ商品を引き渡していない場合⇒相手が代金を支払うまで引渡を拒めます。
ⅱ商品を引き渡してしまった場合⇒まず、相手に相当期間をさだめた上、その期間内に代金を支払うように通知し、期間内に支払いが無ければ契約を解除して損害賠償を請求することも可能です。
キャンセルした場合は?
原則として、代金の支払義務が生じます。
ⅰ完成している場合⇒全額
ⅱ一部完成している場合⇒完成の度合いに応じた代金
※但し、相手の仕事内容に不備があるなど、正当な理由に基づいて合意解除をした場合は、代金を支払わなくても良いこともあります。
出来上がった商品に欠陥がある場合は…
商品に欠陥があった場合、欠陥を直すのに多大な費用がかからない限りは費用受注者負担で直してもらうことが可能です。但し、請求できるのは商品が引き渡せるものであれば引渡を受けてから、それ以外の場合は仕事が完了してから1年以内になります。
解決のポイント
財産がない相手から返してもらうことは出来ますか?
何も財産がない相手から、売掛金を回収することは出来ません。財産の在り処が分からない場合も同じです。 ①どこに ②どんな財産があるかを調べましょう。
先取特権・留置権を活用しましょう
■先取特権
ある一定の債権について、特に取り決めをしなくても、他の人より優先的に弁済を受ける事が出来る権利(動産先取特権/民法311条5号)
掛取引の目的物が動産であれば、先取特権を主張し、他の債権者より優先的に支払を受ける事が可能です。
■留置権
ある動産などについて生じた債権を保全するため、その債権の弁済を受けるまで、動産などの引渡しを拒む事が出来る権利(民法295条1項)
売掛金の支払日が、掛取引の目的とする物の引渡し日より早い場合、相手が支払うまで、目的物の引渡しを拒むことも可能です。 ※なお、相手が物理的に支払えない事が、客観的に明らか場合には、支払日が引渡し日より遅い場合であっても、請求する事が可能です。
継続的に取引をしている場合は、相殺で解決!
相手と継続的に取引をしており、相手に対し未払いの買掛金がある場合には、未払いの売掛金の限度で、買掛金を帳消しにする事が出来ます(相殺/民法505条1項)。但し、売掛金と買掛金、双方の支払日を過ぎている事が条件です。
自分でも出来る、簡易で有効な手段がありますか?
売掛金を支払ってもらえない場合、自分でも出来る、簡易で有効な手段がいくつかあります(例:内容証明郵便の送付・支払督促・公正証書の作成など)。代理人に頼む前に、これらの手段を検討してみても良いでしょう。
難しい事件に巻き込まれてしまった場合には…
自分では解決が難しい場合・自分で出来る方法を試してみたけど解決出来なかった場合には、代理人に依頼し、裁判手続を通して解決することも可能です。その場合、作成しておいた借用書や、領収書、振込み明細、やりとりしたメールなどが証拠になる場合がありますので、必ず保管しておいてください。